特集 乾癬を見直す~臨床薬理学の観点から~
乾癬の疫学と遺伝的背景
今福 信一
1
1福岡大学医学部皮膚科学教室教授
キーワード:
尋常性乾癬
,
疫学
,
HLA
,
遺伝子多型
,
遺伝薬理学
Keyword:
尋常性乾癬
,
疫学
,
HLA
,
遺伝子多型
,
遺伝薬理学
pp.9-12
発行日 2021年10月20日
Published Date 2021/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.10_0009-0012
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乾癬は皮膚に慢性炎症性の角化の異常をもたらし,時に関節にも炎症を生じる疾患である。局面型乾癬の皮膚病変は,境界明瞭で扁平に隆起する紅色の局面,または一部環状の局面であり,銀白色の鱗屑を付着する。一般に,病変がない皮膚は正常にみえるのも大きな特徴の1つである。乾癬性関節炎は乾癬患者に生じやすい病態で,主に付着部炎である。乾癬の皮疹は物理的刺激が誘発するもの(ケブネル現象)もみられるが,本質的に“自発的に”出現する。つまり,何らかの原因,おそらく遺伝的または後天的な原因で,自発的に皮膚がこのような形態に変化するものといえる。本稿では,この乾癬を生み出す仕組みを疫学と遺伝的性質から考えてみる。「KEY WORDS」尋常性乾癬,疫学,HLA,遺伝子多型,遺伝薬理学
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