Japanese
English
特集 臨床皮膚科—最近のトピックス
Clinical Dermatology 1989
II新しい検査法と治療法
抗ケラチンモノクローナル抗体の付属器腫瘍診断への応用
Applications of monoclonal antibodies for diagnosis of skin appendage tumors
伊藤 雅章
1
,
田沢 敏男
1
Masaaki ITO
1
,
Toshio TAZAWA
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
キーワード:
抗ケラチンモノクローナル抗体
,
免疫組織化学
,
皮膚付属器腫瘍
,
分化
Keyword:
抗ケラチンモノクローナル抗体
,
免疫組織化学
,
皮膚付属器腫瘍
,
分化
pp.604-609
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204128
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皮膚付属器腫瘍の分化を各種の抗ケラチンモノクローナル抗体(MoAb)を用いて免疫組織化学的に検討した.増殖性外毛根鞘性嚢腫2例,毛母腫7例,エクリン汗孔腫2例,澄明細胞汗腺腫2例といわゆる皮膚混合腫瘍2例の凍結保存組織を材料とした.抗体は抗毛ケラチンMoAbのHKN−2,HKN−4,HKN−5,HKN−6およびHKN−7,抗単層上皮型ケラチンMoAbのRGE53と抗重層上皮型ケラチンMoAbのRKSE60を用いた.その結果,毛母腫は毛皮質に,増殖性外毛根鞘性嚢腫は外毛根鞘に類似したケラチンを発現していた.エクリン汗孔腫は重層上皮型ケラチンを有し,汗管に類似する.汗腺分泌細胞と同様の単層上皮型ケラチンの発現は,澄明細胞汗腺腫の1例といわゆる皮膚混合腫瘍の2例にみられ,さらに後者では,腫瘍の組織構造に対応した種々のケラチン発現がみられた.各種の抗ケラチンMoAbを組み合わせた免疫組織化学法は皮膚付属器腫瘍の診断に有用といえる.
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