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筆者は,今回,慶應義塾小泉基金の援助を受け,1988年4月 27 日(水)〜30日(土)の4日間,米国ワシントンD.C.で開かれた第50回米国研究皮膚科学会(The 50th Na—tional Meeting of the Society forInvestigative Dermatology)に参加,発表する機会を得た.会場となったシェラトン・ワシントンホテルは,新緑の美しいワシントンD.C.の中心部から北へ約2km程の静かなたたずまいの中に位置していたが,一歩会場内に入ると,開会前にもかかわらず,多数の研究者があちこちで討論の輪を作っており,年一回のこの学会に対する各研究者の意気込みが伝わってきた.今年は,SID発足50周年の記念すべき学会ということで,米国国内はもちろんヨーロッパや日本を中心に多数の皮膚科研究者が参加,プログラムによれば,参加者数は1,500人以上で,その内100人を超す日本人の名前が見られた.日本では,折からゴールデンウィークのため,ワシントン行きの安い航空券を入手するのにだいぶ苦労された先生方も多かったことと思う.日本人参加者の中には,日本の各人学から米国各地へ留学されている若い研究者も多く含まれ,殆どがそれぞれの発表のtop nameであった.すでに長く米国で活躍されている Ken Hashimoto, KimieFukuyama, Kenzo Satoの諸先生方はもちろん,米国における日本人皮膚科研究者の奮闘ぶりが各分野で浮彫りになった感があった.
学会は,運営会議が4月27日朝8:00から行われ,同日夕方5:45より学術会議が始まったが,ほぼ毎日朝8:00から夜9:00まで,びっしりと綿密な計画がたてられていた(表).学術会議は15題の特別講義,20の演題を扱う全員出席のplenarysession,230題のテーマに分かれてのconcurrent sessionおよび238題の学術展示により構成されていた.かなりハードなスケジュールであるにもかかわらず,各会場は常に盛況で活発な討議が続いた.
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