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第39回米国皮膚科研究学会(The Society for Investigative Dermatology,Inc. 以下SIDと略す)総会は昭和53年5月1日より3日間,サンフランシスコ市のSt. Francis Hotelで行われた.筆者にとってはじめての米国での学会について感じたこと,また知り得たことをここに記してみたい.
学会場はDown townの中心,ユニオン広場に面するSt. Francis Hotel内のいくつかのホールで,ずっしりとした格調高いホテル内に厚いカーペットが敷かれ,きわめて豪壮な感じであった.学会は皮膚科領域の基礎および臨床に関する研究学会で,従って演題は最近の傾向を反映し,免疫・光生物学・組織培養等に関するものが多く,また,学会初日(P.M. 7:30-9:00〜10:00迄)のワークショップ,2日目朝のResident-Fellow Forum(若手向けのシンポジウム,A.M. 7:30-9:45),特別講演も免疫学,遺伝学等に関するものであった(表).学会は2日目10:00より会長のDr. KligmanがPresidential Addressとして"Cutaneous Toxicology:New Adventures,New Responsibility"なる講演をきわめてinformalなかたちで,短時間,スライドも全然つかわずに行ない,ついでRothman賞受賞者のDr. Odlandを電子顕微鏡を皮膚に応用した開拓者として紹介した.Dr. Odlandはいつもと変らない静かな微笑を浮べながら,メインホールを埋めた約300人の会員に向って短かいスピーチを行ない,そのまますぐに彼自身を座長として一般演題がはじめられた.各演題はスライド1面,12分の制限時間で討論3分という規定であったが,演題の多くは討論者が多すぎて,座長から「Last question!」の声がかかる程,活気に満ちていた.今回は98題の応募演題のうち,一般演題に30題,ポスターセッション34題が選択された.採択に当っては,プログラム委員であるDrs. Baden(MGH/Boston),Pinnel(Duke/Durham),Katz(NIH/Bethesda)が中心となり,特別講演者,ワークショップ等も彼らの意見が大きく反映したとのことである.
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