Japanese
English
原著
Butyrophenone系向精神薬の長期服用により惹起されたと思われる異常色素沈着症例
Case Study of Slate-gray Pigmentation Induced by Prolonged Therapy with Butyrophenone Neuroleptics
関 いづみ
1
,
池谷 田鶴子
1
Izumi SEKI
1
,
Tazuko IKEYA
1
1順天堂大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
pp.345-350
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203876
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Butyrophenone系向精神薬pipamperone (以下PP)内服により惹起されたと思われる露光部皮膚スレート色色素沈着症の2症例につき報告した.2例とも精神分裂病として初診時までに数年間の長期に亘りPPの内服歴があり,いずれも皮膚の炎症症状の既往がなく,徐々に露光部の色素沈着を呈してきたものである.病理組織所見では,表皮の軽度の萎縮と変性および真皮に担色細胞の集簇が認められた.皮疹の分布および貼布試験,光貼布試験の結果から,この色素沈着の発症にはPPおよび光の関与が考えられた.恒常的に向精神薬を服用している4つの精神科専門病院入院中の740名の患者のうち467名の精神分裂病患者の調査ではchlorpromazine長期(3カ月以上)内服者が163名,PP内服者が40名いた.しかし同様の色素沈着を呈した症例はなく,この2例は極めて稀な症例であることが示された.
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