Japanese
English
原著
円板状エリテマトーデス,進行性全身性硬化症,多発性筋炎のOverlap症候群の1例—ステロイド剤とD-ペニシラミンの分離性効果
A Case of Overlap Syndrome of Discoid Lupus Erythematosus, Progressive Systemic Sclerosis and Polymyositis: Differential Effect of Corticosteroid and D-penicillamine
杉山 朝美
1
,
黒沢 伝枝
1
,
池澤 善郎
1
Asami SUGIYAMA
1
,
Tsutae KUROSAWA
1
,
Zenro IKEZAWA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
pp.773-778
発行日 1987年9月1日
Published Date 1987/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203747
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円板状エリテマトーデス(以下DLEと略す),進行性全身性硬化症(以下PSSと略す),多発性筋炎(以下PMと略す)のoverlap症候群の1例を経験した.症例は37歳の男性.21歳時,頭部にDLEが出現.昭和57年頃よりレイノー現象が,また昭和58年頃より手指・足趾の感覚低下,しびれ感が出現し,翌59年2月頃より皮膚硬化が,10月頃より筋力低下が始まった.昭和60年3月,DLE,PSS,PMのoverlap症候群を疑い,治療としてまずプレドニゾロンを投与することにより筋炎症状と検査所見が著明に改善し,次いでプレドニゾロンとともにD-ペニシラミンを追加投与することにより皮膚硬化が著明に改善した,このように系統の異なる2つの薬剤がPMとPSSの症状に分離して著明な効果を示したことは,合併疾患それぞれの独立性を重視したoverlap症候群なる概念を治療効果の面から間接的に支持する所見として興味深いものと思われた.
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