Japanese
English
原著
眉部に皮下膿瘍を生じた前頭洞膿嚢胞の1例
A Case of Frontal Pyocele with the Development of a Subcutaneous Abscess on the Left Frontoorbital Area
高橋 千恵
1
,
宮内 東光
2
,
田辺 正博
3
,
田林 徳昭
3
Chie TAKAHASHI
1
,
Tohkoh MIYAUCHI
2
,
Masahiro TANABE
3
,
Noriaki TABAYASHI
3
1滋賀県立成人病センター皮膚科
2滋賀医科大学皮膚科教室
3滋賀県立成人病センター耳鼻科
1Department of Dermatology, The Medical Center for Adult Diseases
2Department of Dermatology, Shiga Medical University
3Department of Otorhinolaryngology, The Medical Center for Adult Diseases
pp.715-717
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203736
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患者は73歳,女性.初診時に左上眼瞼から眉部にかけて腫脹がみられ,皮下に境界不鮮明な軟骨様硬度をもつ隆起を触れた.約1週間後,波動を生じたため切開し,その後も排膿が続くため耳鼻科を併診し,前頭洞膿嚢胞の診断を得た.前頭洞や節骨洞において,自然孔の閉塞によって粘液嚢胞が生ずることがあり,細菌感染を合併している場合は膿嚢胞と呼ばれる.前頭洞は眼窩に接しているため,嚢胞が大きくなると,眼窩上壁,内壁が圧迫吸収され,眼球突出,複視などの眼症状が現れることが多い.自験例は前頭洞膿嚢胞が眼窩上壁を破壊して眼窩内に侵入するとともに,眉部皮下にも突出して皮下膿瘍を形成した珍しい症例である.
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