Japanese
English
原著
Warty Dyskeratoma—初期変化を伴った1例の報告
Warty Dyskeratoma: Report of a Case with Early Histologic Changes
木村 俊次
1
Shunji KIMURA
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
pp.699-703
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203733
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63歳男子.右頬部に単発したwarty dyskeratomaの1例を報告した.約半年前から出現した小豆大,軽度隆起性,境界比較的明瞭な小腫瘍で,中央には灰褐色でやや陥凹する角栓様構造を有し,ときに瘙痒を訴える.組織学的に近接する3個の毛嚢に一致して,不全角化性角栓,corps rondsを含む異常角化細胞,基底層直上の裂隙形成基底細胞様細胞の増殖をみる.これらの変化は3個の毛嚢間で程度に差があり,初期のものでは毛嚢漏斗部に裂隙形成がみられ,基底細胞様細胞増殖もごく軽度である.本例にみられた初期変化から,本腫瘍は基本的には毛嚢漏斗部由来と考えられる.病因としてウイルス説は否定できない.また本邦報告例23例について欧米例と比較した.
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