Japanese
English
原著
Bowen病様組織変化を示したHidroacanthoma Simplex
Hidroacanthoma Simplex with Bowenoid Change
野崎 重之
1
,
上田 宏一
1
,
実川 久美子
1
,
佐藤 昌三
1
,
安西 喬
1
Shigeyuki NOZAKI
1
,
Kouichi UEDA
1
,
Kumiko JITSUKAWA
1
,
Syozo SATO
1
,
Takashi ANZAI
1
1日本赤十字社医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Japanese Red Cross Medical Center
pp.621-624
発行日 1987年7月1日
Published Date 1987/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203719
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67歳,女性の臀部に生じたhidroacanthoma simplexの1例を報告した.病理組織学的に腫瘍巣は表皮内に限局するが,一部の腫瘍胞巣では腫瘍細胞の核の大小不同,細胞配列の乱れが顕著で,核の異型性,核分裂像,clumping cellなどBowen病様変化を認めた.1963年から1985年までに報告された本邦例で,核または細胞に異型性がみられたeccrine poroma 7例,自験例を含めたhidroacanthoma simplex 7例について臨床および病理組織につき考察した.その結果,異型性のみられた例では異型性のみられない例より腫瘍の好発年齢は高く,腫瘍に増大傾向を認めた.さらにeccrine poromaでは下肢に好発し腫瘍がやや大きい,hidroacanthoma simplexでは局面状皮疹に腫瘤形成するなどの特徴がみられた,また,これらの症例にみられた細胞または核の異型性の意義について考察を加えた.
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