Japanese
English
原著
硬化性萎縮性苔癬の1例—テストステロン軟膏外用療法の検討
A Case of Lichen Sclerosus et Atrophicus
稲冨 徹
1
,
落合 豊子
1
Toru INADOMI
1
,
Toyoko OCHIAI
1
1日本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.221-225
発行日 1987年3月1日
Published Date 1987/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203622
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
45歳,男子の左仙骨部に生じた硬化性萎縮性苔癬の1例を報告した.治療として,テストステロン軟膏の外用を行い,臨床的に皮疹の縮小,炎症所見の消褪,また組織学的に浮腫の消失,表皮細胞の増殖,真皮膠原線維の増生を認めた,特記すべき副作用は生じなかった.以上のことから,テストステロン軟膏は硬化性萎縮性苔癬に対して効果があり,従来の治療(副腎皮質ステロイドの外用など)が奏効しない場合,あるいは長期に行えない場合,テストステロン軟膏を本症に対し試みることは価値があると考えた.併せて本邦報告例につき文献的考察を行った.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.