Japanese
English
原著
血液透析患者にみられたPorphyria Cutanea Tarda-like Syndromeの1例
A Case of Porphyria Cutanea Tarda-like Syndrome in Hemodialyzed Patients
桜岡 浩一
1
,
杉浦 丹
1
,
宮地 邦彦
Koichi SAKURAOKA
1
,
Makoto SUGIURA
1
,
Kunihiko MIYAJI
1清水市立総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Shimizu City Hospital
pp.713-717
発行日 1986年8月1日
Published Date 1986/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203503
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69歳,女.約1年前より血液透析およびフロセミドを投与されていた慢性腎不全患者の顔面,手背等に緊満性水疱,痂皮等を認めた症例を報告した.フロセミドは初診以後中止したが,水疱は約7カ月間出没を繰り返し,一時小康状態を保ったのち,1年後には日光露出部以外の足趾,手指側縁等に水疱の新生を認めた.皮疹の状態は晩発性皮膚ポルフィリン症と酷似していたが,諸検査にて晩発性皮膚ポルフィリン症は除外された.慢性腎不全患者に水疱が生じたものはbullous dermatosis of hemodialysisとして知られているが,いくつかの病態のものが含まれていると考えられ,本症例はそれらのうちBrivetらが提唱するporphyria cutanea tarda-like syndrome in hemodialyzed patientsにほぼ一致すると考え報告するとともに,透析患者に生じる水疱症の成因および分類について若干の考察を試みた.
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