Japanese
English
原著
腎透析患者に発症したPorphyria Cutanea Tarda
Porphyria Cutanea Tarda in a Hemodialysed Patient
格谷 敦子
1
,
中川 浩一
1
,
辻 卓夫
1
,
小林 裕美
1
,
濱田 稔夫
1
Atsuko KADOYA
1
,
Koichi NAKAGAWA
1
,
Takuo TSUJI
1
,
Hiromi KOBAYASHI
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
pp.547-553
発行日 1988年6月1日
Published Date 1988/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203912
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51歳,女性.慢性腎不全のため,6年前より透析療法を受けている.約1年前より顔面,手背に水疱が出現するようになった.同部の皮膚は粗?で色素沈着を伴い,直径5mm前後の水疱,糜燗,瘢痕が多数散在する.家族歴,飲酒歴や,フロセミド,アルミニウムハイドロキシドゲル,ナリジクス酸などの内服歴はない.血清鉄中等度上昇.ポルフィリン体検査では尿中ウロポルフィリン高値,赤血球ポルフィリン体正常.瘢痕部の病理組織像では真皮乳頭層の軽度浮腫,小円形細胞浸潤と血管周囲PAS陽性物質の沈着を認める.螢光抗体法では表皮真皮境界部と毛細血管周囲にfibrinogenとtype IV col—lagenの螢光を認める.電顕像では内皮細胞の外側に1層のbasal laminaとそれを囲むように幅広く無構造に見える部分があり,その中にcollagen fibrilも散見される.また,collagen fibrilを包むように多量の微細網状ないし微細顆粒状物質が認められる.
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