Japanese
English
原著
脳内浸潤を来した菌状息肉症の1症例—腫瘤で発症し短期間のうちに脳内浸潤を来して死亡した菌状息肉症の1症例と文献的考察
A Case of Mycosis Fungoides Involving the Brain:A d'emblée Type
園田 早苗
1
,
熊野 公子
1
,
玉置 昭治
1
Sanae SONODA
1
,
Kimiko KUMANO
1
,
Shoji TAMAKI
1
1神戸大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Kobe University
pp.991-996
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203357
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
腫瘤で発症し2年後に脳内浸潤を来した菌状息肉症の症例を報告した.47歳,男性,初診1カ月前に背部の腫瘤に気づき,1カ月で全身に腫瘤・結節・紅斑が拡大した.電子線照射療法・VEMP療法等の治療で皮疹の軽快をみたが,初診1年7カ月後に舌のもつれ・振頭・右半身運動麻痺を来し,開頭術2カ月後死亡した.剖検では胃・脾臓・左頭頂葉・右前頭葉・右大脳基底核・左海馬・左大脳基底核・小脳歯状核にmycosis cellの浸潤を確認した.菌状息肉症の脳内浸潤症例報告は数少ない.また電撃型症例報告も稀である.過去に報告された症例を集め文献的考察を試み,脳浸潤症例は経過が短く,浸潤臓器特異性をもつのではないかと考えた.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.