Japanese
English
原著
血中CEAの著明な高値を示した外陰Paget病の1例
A Case of Genital Paget's Disease with Extremely High Serum CEA Level
木内 一佳志
1
,
三橋 善比古
1
,
三上 英樹
1
,
河村 葉志子
1
,
橋本 功
1
Hiyoshi KIUCHI
1
,
Yoshihiko MITSUHASHI
1
,
Hideki MIKAMI
1
,
Yoshiko KAWAMURA
1
,
Isao HASHIMOTO
1
1弘前大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
pp.615-619
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203287
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65歳,男性にみられた外陰Paget病の1例.初診時,すでに左大腿部皮膚に赤褐色小結節が多発散在,血清CEA値は著明な高値(670ng/ml)を示した.その後,血清CEA値は病巣の拡大とともに上昇(1079ng/ml)し,治療により病巣が縮小するのに伴って低下(500ng/ml)した.酵素抗体法により,腫瘍細胞内にCEAの存在が証明されたことから,著明な高値をみた血中CEAは,主に本腫瘍細胞に由来し,その増減は病巣の消長および腫瘍細胞の活動性を反映したものと考えた.同時に検索した病巣部におけるkeratin,S−100蛋白,lysozymeおよびα—fetoproteinでは,keratinが腫瘍細胞に弱陽性であったほかは,すべて陰性であった.また,同一の一次抗体を用いたPAP法による汗器官の染色態度と比較すると,Paget細胞はエックリン汗腺の導管部,分泌部の表層細胞およびアポクリン汗腺の導管部のそれと同じであった.
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