今月の表紙 深部皮膚真菌症の臨床検査シリーズ・2
クロモミコーシス
山口 英世
1
,
内田 勝久
1
,
比留間 政太郎
1
1帝京大学医真菌研究センター
pp.120-121
発行日 1997年2月15日
Published Date 1997/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903230
- 有料閲覧
- 文献概要
細胞壁にメラニン色素を含有するために寒天培地上で暗色(オリーブ色,灰色,黒色)のコロニーをつくる真菌は,黒色真菌(dematiaceous fungi)と総称される.黒色真菌はさまざまな属にまたがる大きな真菌群であり,自然界に豊富に存在するところから,汚染菌として検査の際に問題となることも多い.そればかりではなく,一部の黒色真菌はヒト病原性を有し,主として真皮や皮下組織に感染病巣をつくる.
このような深部皮膚真菌症は,臨床症状や病態,特に組織内にどのような菌要素が検出されるかによって,次の3つの病型(疾患)に大別される.①クロモミコーシス(chromomycosis)(クロモブラストミコーシスchromoblastomycosis:黒色酵母菌症),②フェオヒフォミコーシス(phaeohyphomycosis:黒色糸状菌症),③菌腫(mycetoma,足菌腫,マズラ菌症).本号では①を取り上げる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.