Japanese
English
原著
紅皮症から菌状息肉症へ移行した患者に有棘細胞癌が併発した1例
A Case of Erythrodermic Form of Mycosis Fungoides Associated with Squamous Cell Carcinoma
土屋 雅則
1
,
久保 和夫
1
,
橋爪 鈴男
1
,
徳橋 至
1
,
鰺坂 義之
1
,
石原 和之
2
,
早坂 健一
2
Masanori TSUCHIYA
1
,
Kazuo KUBO
1
,
Suzuo HASHIZUME
1
,
Itaru TOKUHASHI
1
,
Yoshiyuki AJISAKA
1
,
Kazuyuki ISHIHARA
2
,
Kenichi HAYASAKA
2
1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室
2国立がんセンター皮膚科
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
2Department of Dermatology, National Cancer Center
pp.407-412
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203248
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紅皮症にて経過観察中の53歳,男性が,右前腕伸側を蛇口にぶつけ潰瘍を形成.潰瘍は急速に拡大して辺縁に有棘細胞癌が発生.全摘し遊離植皮術を行うも,植皮片周囲より右上腕にかけて原病巣からの転移と考えられる小結節が次々と新生.種々の治療を行うも反応悪く,国立がんセンターに転院後死亡した1例を報告した.剖検は施行し得ず.紅皮症部位の組織検索では,真皮上層から中層に帯状の稠密なリンパ球様細胞浸潤を認めるも異型細胞は殆ど見られなかったが,国立がんセンターに転院後に施行したmonoclonal抗体を用いた酵素抗体法で,真皮の浸潤細胞がherpcr/inducer T細胞であることが確認された.また電顕で核に深い切れ込みのある細胞が認められたこと等を考慮すると,紅皮症から菌状息肉症への移行が考えられ,そこに有棘細胞癌が併発した稀有な症例と思われる.
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