原著
Delayed Cutaneous Metastases
下田 祥由
1
,
鰺坂 義之
1
,
久保 和夫
1
,
土屋 雅則
1
,
橋爪 鈴男
1
Nagayoshi SHIMODA
1
,
Yoshiyuki AZISAKA
1
,
Kazuo KUBO
1
,
Masanori TSUCHIYA
1
,
Suzuo HASHIZUME
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
pp.1025-1028
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202945
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皮膚原発以外の癌が摘出され,5年から10年以上経過したのち,原発巣の再発,再燃が無いにもかかわらず転移性皮膚癌が認められた6例について報告した.原発巣のうち5例は乳癌,1例は大腸癌であった.転移部位は頭部2例,頸部,腹部,左大腿部,胸部各々1例ずつであった,皮膚転移ののち検索により5例に肝,骨などに広範囲に転移巣が認められた.また1例は皮膚転移出現部位を2年前に強く打っており,1例は皮膚転移とほぼ同じ時期に視力障害を来し,脳にも転移が認められた.Deiayed cutaneous metastasesの機構ははっきり解らないが,dormant cellが何等かの刺激が引き金になり転移巣を形成,増殖したものと思われる.原発病巣が完治し,再発再燃が永年認められないにも拘わらず,内臓悪性腫瘍の証拠として皮膚にも転移が出現することがある事に注意したい.
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