Japanese
English
原著
良性単発型皮膚Hemangiopericytoma—特異な臨床・組織像を呈した1例
Benign Solitary Hemangiopericytoma of the Skin:A Case with Peculiar Clinicopathological Features
木村 俊次
1
,
禾 紀子
1
Shunji KIMURA
1
,
Noriko NOGHI
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.129-134
発行日 1984年2月1日
Published Date 1984/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202985
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30歳,女子,右手掌皮膚に単発し,臨床的に圧痛・放散痛を伴い,組織学的に特異な構築を示した良性型hemangiopericytoma (HP)の1例を報告した.臨床的に直径4mmの紅色小結節をなし,容易に表皮剥脱してびらんをきたす,圧痛,ときに放散痛あり.組織学的に病変は真皮上層から皮下脂肪織上部にかけて存在し,境界は比較的明瞭であるが被膜を欠く.類円形ないし紡錘形の腫瘍細胞は異型性を欠き,大小の島しょ状胞巣を形成する.その中心部にあるいはやや偏って1層の内皮細胞で覆われた血管腔が存在するが,血管腔が不明瞭な胞巣も少なくない.これらの胞巣はPTAH染色一部陽性で,また鍍銀染色ではかなりの胞巣で嗜銀線維が個々の腫瘍細胞を囲繞する.本腫瘍は電顕的にも観察し,その所見からHPと確定診断した.HPの本邦報告例を集計し,その臨床的・組織学的・電顕的所見について自験例と比較・検討した.
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