Japanese
English
原著
原発性皮膚アスペルギルス症の1例
A Case of the Primary Cutaneous Aspergillosis
梅沢 明
1
,
志村 葉子
1
,
鰺坂 義之
1
,
下田 祥由
1
Akira UMEZAWA
1
,
Yoko SHIMURA
1
,
Yoshiyuki AZISAKA
1
,
Nagayoshi SHIMODA
1
1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, St.Marianna University School of Medicine
pp.557-562
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202250
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慢性化膿性胆管炎の患者にみられた原発性皮膚アスペルギルス症の1例を報告した.症例は13歳の女児,慢性化膿性胆管炎にて入院加療中,5日間翼状針を固定,絆創膏貼布し持続点滴を行った左前腕伸側手関節部に小膿疱が散在,融合し,周囲に紅暈を有する局面を形成,初診時は癰と思われた.膿疱の直接検鏡で分岐性の菌糸がみられ,生検により真皮中層に楕円形の壊死層があり,放射状に発育せる二分岐性の太い菌糸よりなる菌塊が認められた.培養により,A. fumigatusを分離した.発症時の状態,臨床所見,組織所見より,福代らの「原発性膿皮症様皮膚アスペルギルス症」に一致するものと思われた.本症は本邦で自験例を含み17例を数えており,本疾患の発症には,局所的要因と全身的要因が大きく関与していると思われる.
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