Japanese
English
原著
自然消褪した足底疣贅
A Case of Plantar Warts with Spontaneous Regression
木村 俊次
1
,
早川 和人
1
Shunji KIMURA
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.679-684
発行日 1983年8月1日
Published Date 1983/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202884
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19歳女子の両足底に多発し,全経過約4カ月で自然消褪した足底疣贅の1例を報告した.発疹ははじめ著明な圧痛を伴う半透明小鶏眼様を呈したが,約1カ月後には大部分が黒化し,黒化した皮疹は圧痛が消失した.小鶏眼様皮疹は組織学的に足底疣贅本来の所見の他,病変表皮の染色性の変化,真皮乳頭層・乳頭下層の血管の著明拡張・壁の肥厚・うっ血・血栓形成をきたし,周囲には好中球を主とし小円形細胞・好酸球を混じる稠密な細胞浸潤を示した.一部出血もみられた.これらの浸潤細胞は病変表皮内にも侵入し,そのため表皮真皮境界が不明瞭となる部分もみられた.電顕的にはヒト乳頭腫ウイルス粒子を,また螢光抗体法的にはその抗原の存在を確認した.足底疣贅も含めた疣贅一般の自然消褪につき若干の文献的考察を加えたところ,自験例では扁平疣贅と異なり,アルサス型の反応が主体をなしていると考えられた.
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