Japanese
English
原著
良好な経過をとったDiffuse Sclerodermaの1例
A Case of Diffuse Scleroderma which Showed Benign Course
狩野 葉子
1
,
塩原 哲夫
1
,
長島 正治
1
Yoko KANO
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Masaji NAGASHIMA
1
1杏林大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
pp.1211-1216
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202758
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69歳,男性.皮膚硬化が躯幹から始まり,Raynaud現象・手の硬化を欠如していた全身性強皮症の1例を経験した.当初diffuse scleroderma (Tuffanelli)か考えられ,約3年間の観察期間をもったが,現在,皮膚硬化は全く消褪し,内臓器官への侵襲は認められず,全身状態は良好である.
以上の自験例の経験または文献的考察からdiffuse sclerodermaには従来の内臓侵襲が速やかで予後不良のいわゆる悪性型に加えて,自験例のような内臓侵襲のほとんどみられない予後良好な病型の存在することを述べ,後者をその良性型と呼ぶことを提唱した.併せて鑑別診断を行い,治療経過について検討した.
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