Japanese
English
原著
D-ペニシラミン服用中の患者に生じたHerpetiform Pemphigus様皮膚病変
Herpetiform Pemphigus-like Skin Lesion Induced by D-penicillamine
森 尚隆
1
,
熊切 正信
1
,
金子 史男
1
,
三浦 祐晶
1
Naotaka MORI
1
,
Masanobu KUMAKIRI
1
,
Fumio KANEKO
1
,
Yusho MIURA
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Hokkaido University School of Medicine
pp.531-537
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202857
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33歳,女性.慢性関節リウマチ(RA)治療のためD-ペニシラミン(DPA)の反復投与を受けたところ,天疱瘡様皮膚病変を生じ,投与中止後も長期にわたり皮疹の新生がみられた.臨床的にジューリング疱疹状皮膚炎を考えさせたが,組織学的・電顕的には表皮内水疱で,棘融解像はないが,好中球の浸潤を伴ったspongiosisを示した.螢光抗体直接法で病変部表皮細胞間にIgG,水疱部にIgG,C3の沈着を認めた.間接法では血清中の正常人皮膚を用いた抗表皮細胞膜抗体は40倍陽性であり,患者健常部皮膚による自家間接法でも同様の抗体価を示した.一方,RA患者でDPAの長期治療を受けている皮疹のない4人の血清における正常人皮膚を用いた抗表皮細胞膜抗体の検出はいずれも陰性であった.
最近,DPAに誘発されたと思われる天疱瘡様皮膚病変についての報告がいくつかみられるが,これらと比較して本症の発症機序について考察を行なった.
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