Japanese
English
原著
妊娠中に発症したアナフィラキシー様紫斑病
Anaphylactoid Purpura at a Pregnant Woman
安江 厚子
1
,
三田 一幸
2
,
安江 隆
2
Atsuko YASUE
1
,
Kazuyuki SANDA
2
,
Takashi YASDE
2
1聖霊病院皮膚科
2名古屋大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Holy Spirit Hospital
2Department of Dermatology, School of Medicine, Nagoya University
pp.1051-1055
発行日 1982年11月1日
Published Date 1982/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202732
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重症の紫斑病様腎炎を伴ったアナフィラキシー様紫斑病に罹患し,妊娠月数がすすむにつれて蛋白尿の増加がみられたが,妊娠34週日の帝王切開により,1,800gの女児を無事分娩し得た25歳,女子例を報告した.螢光抗体直接法による検索では.紫斑部および無疹部皮膚の真皮乳頭層の小血管壁と,腎糸球体のメサンギウムにIgA, C3の顆粒状の沈着が認められた.分娩後,母親の蛋白尿は一時軽快していたが,肺炎桿菌による急性肺炎に罹患した後より,再び増加がみられた,しかし,ステロイド剤の大量投与により,半年後にはほぼ蛋白尿も消失した.出生児は一時的な副腎皮質機能不全や多毛症がみられたが,2年後の現在では特に異常はなく,発育も順調である.
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