連載 Medical Scope
妊娠と本態性血小板減少性紫斑病
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.380
発行日 1975年7月25日
Published Date 1975/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204892
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分娩と出血はきってもきれない縁があるのですが,出血性疾患,あるいは出血傾向のある妊婦の分娩では,いっそう分娩時の出血に関して注意を払わなくてはなりません。ここにとりあげた本態性血小板減少性紫斑病もその出血傾向を示す代表的な疾患です。
さて,この血小板減少性紫斑病の女性が妊娠したら,うまく分娩できるのだろうか。分娩時の出血で止血できず,出血死することがないのだろうか。もし,そうだとすると,血小板減少性紫斑病の女性は,妊娠し出産することをあきらめなくてはならないのだろうか。こんな疑問がわいてくるのは当然ですが,春の京都の日本産科婦人科学会で名古屋大学産婦人科教室から,非常に多くの症例をまとめた研究成績が発表されました。
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