Japanese
English
原著
臍部皮膚子宮内膜症の1例—月経時の組織学的所見を中心に
Umbilical Endometriosis:Histopathologic Changes in the Menstrual Stage
山城 一純
1
,
藤原 直子
1
,
鳥山 史
1
,
堀 真
1
Kazuyoshi YAMASHIRO
1
,
Naoko FUJIWARA
1
,
Fumi TORIYAMA
1
,
Makoto HORI
1
1長崎大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
pp.951-957
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202717
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31歳,未婚の女性.約5年前より臍窩部に有痛性の腫瘤をきたす.その腫瘤は月経時に発赤,腫脹をきたすことが多かったが,出血をみることはなかった.
月経2日目に腫瘤に生検を行ない,組織学的,電子顕微鏡的観察を試みた.
組織学的には変性像のない子宮内膜腺と共に,内腔が不規則に開大し,空胞化をきたした腺上皮細胞と,それらが腔内に剥脱したと思われる細胞集塊を認めた.また間質組織は正常子宮の月経期に一致する細血管の増生,拡張,浮腫などが認められた.
電顕的にも腺構造部の細胞には,正常子宮内膜腺の月経期の像に一致する空胞形成,多数のlysosome様顆粒の出現などが認められた.
以上の所見より,臍部皮膚子宮内膜症も黄体ホルモンの影響を受けたことが強く示唆された.
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