Japanese
English
原著
モルフィア様病変および皮下結節を伴ったCRST症候群
Morphea-like Cutaneous Changes and Subcutaneous Nodules in a Patient with CRST Syndrome
野村 和夫
1
,
三橋 善比古
1
,
門馬 節子
1
,
古川 隆
1
,
羽田 知子
1
Kazuo NOMURA
1
,
Yoshihiko MITSUHASHI
1
,
Setsuko MONMA
1
,
Takashi KOGAWA
1
,
Tomoko HADA
1
1弘前大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
pp.265-269
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202601
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23歳女,約8年前より両下腿に限局性皮膚硬化があり,2年前よりレイノー症状,手指の硬化が出現し,また殿部,下腿に皮下結節がみられている.顔面,胸部などに多数の毛細血管拡張があり,下肢X線で皮下石灰化像を認め,全身性強皮症,とりわけCRST症候群が考えられた.下腿の局面の組織は膠原線維の増生,血管の閉塞性変化が主体であり,この部の螢光抗体直接法でIgG, A, M沈着がみられた.皮下結節部の組織は脂肪織内塞栓形成,真皮小血管の閉塞性変化であった.検査では,免疫グロブリン高値,DNCB感作不成立,リンパ球幼若化反応低下など全身的に免疫異常の存在が疑われた.これらのことから,CRST症候群,下腿の限局性皮膚硬化,皮下結節は偶然の合併ではなく,血管変化,免疫異常などを基盤とした一元的な病態と考えられた.
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