Japanese
English
原著
結節状皮疹を認めた汎発性鞏皮症の1例
A Case of Scleroderma Diffusa with Nodular Lesions
北畠 雅人
1
,
石川 英一
1
,
斉藤 義雄
1
Masato KITABATAKE
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
,
Yoshio SAITO
1
1群馬大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
pp.259-264
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202600
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59歳,女性.レイノー現象に続いて,手指の短縮,拘縮,前腕から手指,足趾,顔面の皮膚硬化の出現したAcrosclerosis型(タイプⅡ)と思われる汎発性鞏皮症において,その項背部,胸腹部に皮膚面より隆起する結節性皮疹の合併を認めた.組織学的には著明な真皮の肥厚と,特に下層に膠原線維の塊状膨化を認め,電顕的に膠原線維束の配列不整,膠原細線維の大小不同があり,鞏皮症,とくにモルフェアに一致する所見であった.結節性病変は他の鞏皮症病変とともに出現し,鞏皮症病変の軽快とともに軟化するものがあるのを認めた点,汎発性鞏皮症の皮膚病変の1表現型と考えられる.その原因につき,有機溶媒との接触,薬剤の摂取の有無,結節性皮疹内の好酸性細菌の有無について調べたが,とくに原因と思われるものは発見できなかった.
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