Japanese
English
症例報告
環状肉芽腫様病変を伴った皮膚腺病の1例
A case of scrofuloderma with granuloma annulare-like lesions
岩谷 麻子
1
,
三橋 善比古
1
,
橋本 功
1
,
福士 主計
2
Asako IWAYA
1
,
Yoshihiko MITSUHASHI
1
,
Isao HASHIMOTO
1
,
Kazue FUKUSHI
2
1弘前大学医学部皮膚科教室
2弘前大学医学部細菌学教室
1Department of Dermatology, Hirosaki University School of Medicine
2Department of Bacteriology, Hirosaki University School of Medicine
キーワード:
皮膚腺病
,
環状肉芽腫
,
遅延型アレルギー
Keyword:
皮膚腺病
,
環状肉芽腫
,
遅延型アレルギー
pp.989-992
発行日 1994年10月1日
Published Date 1994/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901342
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80歳女性の,両手掌および手背に環状肉芽腫様病変を伴った皮膚腺病の1例を報告した.初診時,左側頸部に暗赤色結節が多発し,一部は潰瘍化しており,両手掌・手背には,浸潤を触れる不規則な紅斑と丘疹がみられた.側頸部結節は,組織学的に真皮深層の乾酪壊死とLanghans型巨細胞を伴う類上皮細胞肉芽腫であり,結核菌培養陽性で,皮膚腺病と診断した.手の病変は,組織学的に真皮上層に膠原線維の限局性の変性像を認め,周囲に類上皮細胞とリンパ球の浸潤があり,結核菌培養陰性であった.手の病変は紅斑型の環状肉芽腫とも考えられるが,皮膚腺病に伴っており,抗結核療法が有効であったことから,結核疹の一種と位置づけた.環状肉芽腫型組織反応の発症機序の一つとして結核菌に対する遅延型アレルギーの関与が推測される.
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