Japanese
English
原著
円板状エリテマトーデス様皮疹を合併した活動性慢性肝炎
Active Chronic Hepatitis with Discoid LE-like Lesions
荻野 篤彦
1
,
疋田 義太郎
2
Atsuhiko OGINO
1
,
Gitaro HIKITA
2
1国立京都病院皮膚科
2国立京都病院内科
1Department of Dermatology, Kyoto National Hospital
2Department of Internal Medicine, Kyoto National Hospital
pp.801-805
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202488
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
症例は21歳の男性で,15歳より活動性慢性肝炎に罹患している.約3ヵ月前より左前腕と上腹部に散在性の角化性小丘疹と固着性鱗屑をともなった淡紅色ないし淡紫紅色の紅斑性局面を生じた.組織学的所見は表皮がやや萎縮状で,角化と角栓形成をみるが,明らかな液化変性はなく,真皮中層から深層にかけて附属器周囲にリンパ球を主とする密な細胞浸潤が認められる.螢光抗体直接法で表皮・真皮接合部にIgMのみが顆粒状に沈着している.活動性慢性肝炎に伴う皮疹としては座瘡,線状皮膚萎縮症のような非特異的皮疹のほかに,他の自己免疫性疾患にも合併してみられる顔面蝶型紅斑,多形滲出性紅斑,紫斑,蕁麻疹などが報告されている.活動性慢性肝炎の発症とその遷延化に自己免疫的機序の作用が想定されており,この種の肝炎と合併してみられる皮疹との関係を考察した.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.