Japanese
English
原著
α-メルカプトプロピオニールグリシンによる薬疹の2例
Two Cases of Drug Eruption Due to α-Mercaptopropionylglycine
新村 陽子
1
,
小野 真理子
1
,
宅間 幸子
1
Yoko SHIMMURA
1
,
Mariko ONO
1
,
Sachiko TAKUMA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Showa University
pp.733-737
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202476
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要約 症例1;20歳,女.多形滲出性紅斑のため,α-メルカプトプロピオニールグリシン(チオラ)300mg/日,9日間,内服後に発疹出現.発疹型は顔面に蝶形紅斑,躯幹,四肢は麻疹型.発熱,リンパ節腫脹あり.膠原病,ウイルス感染症を疑い諸検査を施行したが,CRP(⧺),リンパ球減少以外に著変なし.軽快後の貼布試験,皮内試験遅延型反応,内服試験はいずれも陽性.
症例2;32歳,女.皮脂欠乏性湿疹のため,チオラ内服11日後に同様の薬疹を生じた.以上の症例を報告し,若干の文献的考察を加えた.自験例はSLE様紅斑を呈した点,興味深く,D-ペニシラミンとの構造上および両者による薬疹の臨床型の類似性に注目した.
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