Japanese
English
原著
経過中に掌蹠膿疱症様皮疹を伴ったEosinophilic Pustular Folliculitisの1例
A Case of Eosinophilic Pustular Folliculitis with Pustulosis Palmaris et Plantaris-like Eruptions in Course
小野 真理子
1
,
千葉 恵子
1
,
新村 陽子
1
Mariko ONO
1
,
Keiko CHIBA
1
,
Yoko SHINMURA
1
1昭和大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Showa University
pp.17-23
発行日 1982年1月1日
Published Date 1982/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202555
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22歳,男.初診約4ヵ月前に両上腕に初発し,漸次拡大.初診時,顔面・躯幹・四肢に粟粒大〜半米粒大の丘疹・漿液性丘疹が多発,一部融合し,軽快後の色素沈着も混在する手拳大までの局面を形成,一部に少数の膿疱が混在.貨幣状湿疹兼自家感作性皮膚炎の診断のもとに.ステロイド剤の内服,外用で軽快したが,症状が可燃.生検組織像は好酸球を主体とする毛包内膿瘍形成.培養検査で膿疱は,一般細菌・真菌ともに陰性.末梢血の好酸球増多(25%).以上の所見により太藤らのEosinophilic pustular folliculitisと診断.現在,抗ヒ剤の内服,ステロイド剤の外用で経過観察中であるが,皮疹は一進一退で,寛解,再燃をくり返している.さらに,最近になって,足蹠に掌蹠膿疱症様病変も併発している.1980年12月末までの自験例を含む報告例61例を総括した要点を記載した,男子に好発(85%)し,また20〜30代に好発.外国報告例は4例のみであり,本邦では特に関東以西に多い.好発部位は顔面,躯幹であり,19例では掌蹠にも皮疹が認められた.61.4%に白血球増多症.81%に好酸球増多症.定型的な病理組織像以外に,毛包,脂腺内にアルシアン・ブルー染色陽性物質が認められたのは自験例を含め4例.
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