Japanese
English
原著
表皮様嚢腫より発生したと考えられる有棘細胞癌の1例
A Squamous Cell Carcinoma probably developed from an Epidermoid Cyst
石川 治
1
,
服部 瑛
1
,
石川 英一
1
Osamu ISHIKAWA
1
,
Akira HATTORI
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
pp.253-259
発行日 1981年3月1日
Published Date 1981/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202394
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76歳,男.30歳頃,右側臀部および同側肩甲部に,時期を同じくして腫瘤各1個出現.徐々に増大した.肩甲部腫瘤は,当科初診後,組織学的に表皮様嚢腫と確定した.他方,臀部腫瘤では,その間時々粥状物質の排出を見るとともに,74歳頃より一部潰瘍化した.初診時,皮膚癌の臨床像を呈し,組織学的に高分化性扁平上皮癌で,角質嚢腫様構造を示した.角化形式は,表皮のそれに類似し,電顕学的にも,腫瘍細胞はケラチノソームを有し,表皮ケラチノサイト由来を窺わせた.さらにまた,右股リンパ節に類似の角質嚢腫構造をもった転移細胞巣を認めた.
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