Japanese
English
原著
限局性強皮症—教室例の臨床的ならびに免疫病理学的検討
Localized Scleroderma--Clinical and Immunopathological Studies
村木 良一
1
,
栗原 誠一
1
,
西川 武二
1
,
籏野 倫
1
Ryoichi MURAKI
1
,
Seiichi KURIHARA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
,
Hitoshi HATANO
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.1069-1073
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202332
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最近約11年間に当教室で経験した限局性強皮症49例の臨床的検討を行い,若干の病型分類上の問題点を指摘し,また,一部の症例では臨床像と免疫学的検索から病因についても言及した.自験例49例は臨床像から斑状−17例,帯状−10例,線状—(剣傷状—)11例,滴状強皮症3例および多発性モルフェア8例に分類された.その際標準的な教科書の分類を比較すると,帯状—,線状—および剣傷状強皮症の解釈,多発性モルフェアの解釈に相違がみられた.多発性モルフェアでは3/8例にリウマチ反応陽性,3/6例に抗核抗体陽性を認め,臨床的に小白色硬化斑を有する症例に陽性傾向が大であった.螢光抗体直接法による皮疹部免疫グロブリン沈着の有無を検索したところ,線状強皮症2/2例,多発性モルフェア1/3例に皮膚基底膜部にIgM沈着が陽性であった.限局性強皮症では多発性モルフェアのみならず,線状強皮症においても免疫異常の可能性が示唆された.
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