Japanese
English
原著
膿皮症から分離されたブドウ球菌とその抗生物質感受性について
Staphylococci Isolated from Pyoderma and Sensitivities to Antibiotics
出来尾 哲
1
,
高垣 謙二
2
,
山崎 玲子
2
,
浜中 和子
3
,
池田 早苗
1
Satoshi DEKIO
1
,
Kenji TAKAGAKI
2
,
Reiko YAMASAKI
2
,
Kazuko HAMANAKA
3
,
Sanae IKEDA
1
1広島鉄道病院皮膚科
2島根医科大学皮膚科教室
3広島大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Hiroshima Hospital of Japanese National Railways
2Department of Dermatology, Shimane Medical College
3Department of Dermatology, Hiroshima University School of Medicine
pp.551-556
発行日 1980年7月1日
Published Date 1980/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202249
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要約 1975年から1978年までに広島鉄道病院皮膚科を受診した膿皮症患者のうち,癤,癰,毛包炎,伝染性膿痂疹,感染性粉瘤の患者,計510症例を対象として,病巣からの分離菌の菌種とその抗生物質感受性を決定した.
癤,癰,伝染性膿痂疹の病巣からの分離菌は大部分が黄色ブ菌で,毛包炎の病巣からの分離菌はその約2/3が黄色ブ菌,約1/3が表皮ブ菌である.また,感染性粉瘤では,約1/5が黄色ブ菌で,約2/3が表皮ブ菌である.
分離されたブ菌の抗生物質感受性の順序は,ブ菌全体ではCEX・GM>CP>TC>ABPC・AMPC>EMであり,黄色ブ菌ではCEX・GM>CP>TC>ABPC・AMPC>EMであり,表皮ブ菌ではCEX・GM>CP>ABPC・AMPC>EM・TCである.
分離されたブ菌の抗生物質感受性を1962年のものと比較すると,ABPCの感受性はある程度良くなり,EMの感受性は非常に悪くなっていたが,TCとCPの感受性にはあまり変化がないと思われた.
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