Japanese
English
原著
T細胞リンパ腫—羊赤血球受容体を持つ腫瘍細胞を検出し,経過中Pneumocystis Carinii肺炎を合併した症例
A Case of T Cell Lymphoma : Detection of sheep erythrocyte-rosset formation of the tumor cells and association with pneumocystis pneumonia on the course
片山 淳子
1
,
西田 健樹
1
,
西岡 清
1
Junko KATAYAMA
1
,
Kenju NISHIDA
1
,
Kiyoshi NISHIOKA
1
1大阪大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Osaka University School of Medicine
pp.375-380
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202220
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35歳,女性.7〜8年来,四肢の痒疹様皮疹,顔面の紅斑が出没をくり返しているうらに,発熱,全身表在性リンパ節腫大,項部,耳前,耳後部の小結節が出現するようになった.項部小結節及び頸部腫大リンパ節生検にて,histiocytlc typeの悪性リンパ腫と考えられた.同時に,腫瘍細胞の表面マーカーを検討したところ,腫大リンパ節から分散した細胞の80%の高率に,羊赤血球とのロゼット形成を認め,腫瘍細胞がロゼット形成をおこなっていることを電子顕微鏡下で確認したので,T細胞リンパ腫と診断した.免疫学的検査上,γ—グロブリンの高値,ツ反は陰性,DNCB感作は不成立であった,症状は,強力な化学療法に抵抗し,経過中,胸部X線所見上まれな肺胞性間質性肺炎を併発し,続いてPneurnocystiscarinii肺炎にて死亡した.
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