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講座
蛍光抗体補体法の皮膚疾患への応用
Application of Complement Immunofluorescence Test to Skin Diseases
西川 武二
1
,
栗原 誠一
1
Takeji NISHIKAWA
1
,
Seiichi KURIHARA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.328-334
発行日 1980年4月1日
Published Date 1980/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202213
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Coons&Kaplan1)によって開発された螢光抗体法は,その後の免疫化学の著しい進歩により益益応用の範囲が拡大し,臨床領域にも極めて重要な検査法の1つとなった.皮膚科領域にあっては,梅毒血清反応(FTA-ABS)2),抗核抗体の検索3)の他,天疱瘡・類天疱瘡をはじめとするいわゆる自己免疫疾患の診断に欠かせない検査手技4)である.この背景には,特異性の高い標識抗血清が容易に得られるようになったことに加え,光学系の進歩,検査手技の標準化への努力などの諸要素が挙げられる5〜7).螢光抗体法と皮膚疾患に関する幾つかの綜説3〜12)にはいかに多くの疾患に本法が応用し得るかについて詳しく触れられており,また,つい最近にはBeutnerら一門の皮膚免疫病理学の成果の集大成ともいうべきmonographが改訂出版され,本領域に興味をもつ者にとっては有用な資料を提供してくれる13).
私共は,螢光抗体法の1法として,従来あまり注目されることのなかった螢光抗体補体法の手技を確立し,本法の特徴を十二分に利用し,種々の皮膚科的応用を行ってきたのでここに一括することを試みた.
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