Japanese
English
原著
色素性痒疹—dyskeratotic cellの存在と組織学的色素失調の形成について
Three Cases of Prurigo Pigmentosa
富田 靖
1
,
舛 真一
1
,
斉藤 信也
1
Yasushi TOMITA
1
,
Shin-ichi MASU
1
,
Nobuya SAITO
1
1東北大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.933-938
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202131
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要約 長島らの記載した色素性痒疹に合致した3例を報告し,若干の考察を加えた.症例は19,17,18歳のいずれも女性.第2例のみ項部と背部に,他2例は前胸部と背部に瘙痒性皮疹と紫灰色斑を来す.病理組織学的に第1,3例の色素斑部は真皮上層の血管周囲性の細胞浸潤と組織学的色素失調を呈していたが,第2例の色素沈着を伴った紅斑部は真皮上層の組織学的色素失調のほかに表皮基底層周辺にdyskeratotic cellが認められ,また第3例の紅色丘疹は表皮内の大型多房性水疱と水疱内外にdyskeratotic cellを多数認めた,これらdyskeratotic cellは本症の組織学的色素失調の成立に何らかの関連を持っていると推測した.
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