Japanese
English
原著
疥癬の統計的観察
Statistical Observations on Scabies
甲原 資秀
1
,
佐藤 則子
1
,
木村 俊次
1
Motohide KINEHARA
1
,
Noriko SATOH
1
,
Shunji KIMURA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.155-159
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202021
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要約 最近3年間に慶大皮膚科で経験された137例の疥癬症例について統計的観察を行なった.症例数は年々増加の傾向を示し(昭和50年6例,51年57例,52年74例),性比は4対1で男性に多く,年齢は1〜68歳にわたり20代にピークがみられた.確診例は107例,疑診例は30例であった.初診時診断は疥癬が大部分(126/137)であったが,急性湿疹,虫刺症,毛嚢炎などと疑診された例も少数みられた.家族内またはグループ,同僚内発生件数は各々24件,30件,計54件であった.海外旅行歴は23例に認められた.初診までの経過は1週から9ヵ月にわたったが,1〜3ヵ月が最多であった.臨床症状の特徴は1)指間の疥癬トンネル,2)陰嚢,亀頭に丘疹,小結節が好発,3)夜間の激しい瘙痒等成書記載の範囲を出ない.治療は主にクロタミトン含有軟膏を用いてかなりの有効率を認めたが,治療効果判定には2,3の問題点があり,これについて若干考察した.
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