これすぽんでんす
いわゆる悪性関節リウマチの1例にみられた表皮細胞核IgG沈着/菌状息肉症と光線感受性
西川 武二
1
1慶応大学
pp.94
発行日 1979年1月1日
Published Date 1979/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202013
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最近,螢光抗体法の普及により水疱症,エリテマトーデスをはじめとする多くの疾患の生検皮膚へ螢光抗体直接法が施行されるようになり,種々の興味ある知見が得られてきた.行木らの「悪性関節リウマチの1例」においても前腕の結節性紅斑様の発疹部の螢光抗体直接法では従来あまり注目されなかった表皮細胞核のIgG沈着が認められている.また,同時に血清中には640倍の抗核抗体と抗ENA抗体(赤血球凝集法で8,192倍の高値)が見られている.著者らはこれらについては,症例報告の主旨とは直接関係していないため,とくに言及していないが,極めて興味深い知見である.
すなわち,最近,諸施設から表皮細胞核のIgG沈着が,膠原病,とくにSLE1),MCTD2,3),PSS4)にみられたとの報告が相次いでいる.筆者らも同様の知見を,Mesenchymal scleroderma (PSSの症状を主徴とするが,他の結合織疾患を合併する症候群)症例に見い出し報告した5).
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