印象記
American Academy of Dermatology—年次総会1992年に参加して
天谷 雅行
1
1慶應義塾大学皮膚科学教室
pp.626-627
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900946
- 有料閲覧
- 文献概要
American Academy of Derma—tology(AAD)年次総会は,日本でいえば日本皮膚科学会総会に相当する,年に1回の皮膚科の中では一番大きな学術大会です.1992年度のAADは,アメリカ西海岸にあるサンフランシスコで12月5日から10日の6日間の日程で開催されました.
AADの一番大きな特徴は,学会全体の構成が非常に教育ということに大きな柱をおいていることでしょう.通常の日本で開かれる学会と違い,一般演題の募集はごく限られたセッションのみで,各セッションのチーフが,それぞれの専門分野で活躍している人に依頼し,講演をしてもらうという形式をとっています.現在一口に皮膚科と言っても,カバーしなければならない領域が広い上に,時代の進展が早く,ついて行くのは至難の業です.そのためこのように年に1回,各領域での主なことをまとめてくれると非常に助かります.しかも,講演をする側も,聴衆により採点されるので,その発表の仕方に気を配って,できるだけ初心者にもわかりやすく説明しようと努力しています.そのため開業なさってまさに皮膚科診療の第一線で活躍されている先生から,研究に携わっている先生まで,それぞれ自分でその年のテーマを決め,いろいろなコース,セッションを取り,学会中にかなりのことを勉強されています.私の恩師で水疱症で世界的権威のStanley先生も,acneの最近の治療法についてとか,herpes virusの最近の知見についてだとか,自分の専門分野ではないものをとり,勉強され,学会を楽しんでいらっしゃいました.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.