Japanese
English
原著
肺癌を合併せるBowen病の1例—本邦合併例40例の集計
Report of a Case of Bowen Disease with Lung Cancer and Statistical Observations of Forty Cases Reported in Japan
中村 絹代
1,2
Kinuyo NAKAMURA
1,2
1北里研究所附属病院皮膚科
2慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Section of Dermatology, Kitasato Institute Hospital
2Department of Dermatology, School of Medicine, Keio University
pp.477-482
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201908
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肺癌にて内科入院中の80歳男子の左大腿後面に,10年来存在したBowen病を見出したので,本邦報告例と合せて報告する.肺癌は放射線および抗癌剤治療にて,またBowen病は5FU軟膏ODTにて改善され,2年半後の現在も経過良好である.砒素に接触の既往はない.本邦におけるBowen病(癌)および内臓悪性腫瘍の合併例は40例に及び,これらのBowen病に対する頻度は10%前後と考えられる.合併内臓悪性腫瘍の内訳は,子宮の悪性腫瘍(37.5%)が最も多く,次いで胃癌(25%),肺癌(17.5%)であり,子宮悪性腫瘍の放射線治療後に発症した外陰部Bowen病の多いことも注目させられる.一般には,Bowen病は内臓悪性腫瘍の見出される平均6.26年前に発症していることが多いと推測されるため,Bowen病患者に対する長期間のfollow upが必要である旨を述べた.
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