Japanese
English
原著
肺癌を合併した落葉状天疱瘡—症例報告と本邦例集計
Pemphigus Foliaceus Associated with Lung Cancer
若林 正治
1
,
築藤 玲子
1
,
藤田 優
1
,
陳 瑞明
2
Seiji WAKABAYASHI
1
,
Reiko TSUKIFUJI
1
,
Masaru FUJITA
1
,
Ruey-Mei CHEN
2
1千葉大学医学部皮膚科教室
2千葉大学医学部肺癌研究施設内科
1Department of Dermatology, Chiba University School of Medicine
2Department of Chest Medicine, Institute of Pulmonary Cancer Research, Chiba University School of Medicine
pp.803-808
発行日 1986年9月1日
Published Date 1986/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203521
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78歳,男性.肺癌を合併した落葉状天疱瘡の1例を報告した.肺癌は組織学的には扁平上皮癌と診断されたが,天疱瘡が発症する2年前の胸部レ線像でも陰影が確認されており,明らかに肺癌が先行していた.皮疹は角層下水疱で,螢光抗体直接法にて表皮細胞間にIgG,C3の沈着が証明され,臨床的にも落葉状天疱瘡であった.プレドニゾロン80mg/日内服にて加療するも,難治性で長期投与を必要とし,その副作用によると思われるアスペルギルス肺炎を併発し死亡した.なお肺癌の全摘術は行い得ず,天疱瘡との関連性は明らかにできなかった.天疱瘡と悪性腫瘍(胸腺腫を除く)の合併例は決して多いとはいえないが,両者の発症機構には免疫学的見地からも注目が集められており,自験例を含めた本邦報告例29例について統計的観察を行い,若干の文献的考察を加えた.
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