Japanese
English
原著
全身性エリテマトーデスの合併が想定されるSenear-Usher症候群の1例
A CASE OF SENEAR-USHER SYNDROME, PROBABLE TO BE COEXISTENT WITH SYSTEMIC LUPUS ERYTHEMATOSUS
折原 俊夫
1
,
倉繁 田鶴子
1
,
石川 英一
1
Toshio ORIHARA
1
,
Tazuko KURASHIGE
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Dcpartment of Dermatology, Gunma University School of Medicine
pp.197-202
発行日 1978年3月1日
Published Date 1978/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201862
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Senear-Usher症候群は,今日天疱瘡の1型とされているが,皮膚症状についても,また検査所見に関してもエリテマトーデスとの関係が指摘されている.今回我々は全身性エリテマトーデスとSenear-Usher症候群との合併が考えられる1例を経験した.患者は41歳女性で,初め顔面に軽い発赤と腫脹があり,2〜3カ月後から四肢関節痛,頸部筋肉痛,それに躯幹に軽度湿潤傾向のある落屑性紅斑と頭部に脱毛斑が出現した.当科入院後胸部に新生した小水疱は,表皮内顆粒層に生じた棘融解性水疱であつた.また患者血清中には天疱瘡抗体とともに抗核抗体が検出され,同時にLE細胞も陽性であつた.生検皮膚では皮疹部・無疹部ともに表皮細胞間にIgG,また表皮真皮境界部にIgGとC3の沈着がみられた.以上のことからこの患者を全身性エリテマトーデスとScnear-Usher症候群の合併と考えた.
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