Japanese
English
原著
Adams-Stokes症候群を伴つたサルコイドーシスの2例
TWO CASES OF SARCOIDOSIS WITH ADAMS-STOKES SYNDROME
辻口 喜明
1
,
藤沢 重樹
1
,
森嶋 隆文
1
Yoshiaki TSUJIGUCHI
1
,
Shigeki FUJISAWA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.199-204
発行日 1977年3月1日
Published Date 1977/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201707
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サルコイドーシスの死因として心筋サルコイドーシスが重視され,fatal myocar—dial sarcoidosisとも呼ばれている.我々は最近,サルコイドーシス病変に基因すると推察されるAdams-Stokes症候群を伴つたサルコイドーシスの2症例に遭遇した.第1例は49歳の女性で皮膚科でサルコイドーシスの診断のもとにステロイド軟膏のみで加療していたところ,その経過中にAdams-Stokes発作を来した興味深い症例であり,第2例は57歳の女性で心症状を主訴として内科へ緊急入院し,皮膚症状およびその病理組織学的所見から初めてサルコイドーシスと確定診断しえた例である.治療は第1例においてはステロイドの全身投与に加えてペースメーカーの装着を行ない,第2例ではステロイドの全身投与にて救命しえた.
以上の経験からサルコイドーシスの患者では心筋病変にも留意しつつ,経過観察することが重要であることを再認識させられた.
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