Japanese
English
原著
乾癬治療中に発生した扁平上皮癌の2例
TWO CASES OF SQUAMOUS CELL CARCINOMA ASSOCIATED WITH PSORIASIS VULGARIS
土井 福子
1
,
稲田 修一
1
,
妹尾 浩一
1
,
地土井 嚢璽
1
,
卜部 康道
2
Fukuko DOI
1
,
Shuichi INADA
1
,
Koichi SEO
1
,
Joji JIDOI
1
,
Yasumich URABE
2
1広島大学皮膚科教室
2広島記念病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hiroshima University School of Medicine
2Department of Dermatology, Hiroshima, Kinen Hospital
pp.991-996
発行日 1976年12月1日
Published Date 1976/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201674
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乾癬の治療中に頭部に扁平上皮癌が発生した53歳男と49歳男の2症例を報告した.
2症例とも20年来ほぼ全身に乾癬病巣があり,第1症例はタール剤の外用7年間,限界線照射を約10年間受け,第2症例はタール剤の外用1年間,限界線照射約10年間受けていた.
本邦において,乾癬に併発した扁平上皮癌の報告は,過去30年間我々が検索しえた限りでは2例のみであつた.乾癬病巣と扁平上皮癌の発生に関して,1)扁平上皮癌が乾癬病巣部に偶然に一致して発生した.2)乾癬の治療によつて扁平上皮癌が発生した.3)乾癬病巣が直接癌化したの3つの可能性について,本邦報告例2例と我々の症例2例の計4例について検討し,我々の2症例は,発癌因子として限界線照射の関与がより強いと考えた.
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