Japanese
English
原著
ビチオノールによるPersistent Light Reactorの1例
A CASE OF PERSISTENT LIGHT REACTOR DUE TO MTHIONOL
猿田 隆夫
1
,
中溝 慶生
1
Takao SARUTA
1
,
Yoshio NAKAMIZO
1
1九州大学温泉治療学研究所皮膚科
1Department of Dermatology, The Institute of Balneotherapeutics, Kyushu University
pp.311-318
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201578
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約10年間の薬用石鹸の使用により,その含有成分のビチオノールによると思われる光接触皮膚炎の1例を報告した.その型はpersistent light reactorであつた.MEDの短縮化がみられ光貼布試験において,ブラックライト(BLB)照射によりビチオノール陽性を示した.また一般の読書用螢光灯にも陽性反応を示した.その作用波長は,ピークは352nm付近にあると思われたが,作用域は400nm近くまでおよんでいると推測された.ビチオノール貼布によりBLBで陽性を呈した部は1カ月後,BLBの再照射により,再び陽性を示した.このとき最初にBLBで陰性であつた部は,再照射によつても陰性であつた.遮光剤テストをしたところ,ウィルソンパスタ,30%亜鉛華硼酸軟膏,サンスクリーン,カバーマークに強い遮光効果を認めた.2年余の入院の間,種々の治療法を検討したが,結局β—カロチン内服,ウィルソンパスタ,ステロイド外用の3者併用が最も優れた効果を示した.
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