一頁講座
帯状疱疹と単純疱疹との罹患部位
筏 淳二
1
1京都府立医大
pp.1042
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201523
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帯状疱疹は躯幹に好発し,四肢では末端になるほど少なくなる.罹患部位を支配する神経節からみると,神経節が無差別に侵されず,いくつかは免疫を示すとされ,三叉神経節と躯幹を支配する第3胸髄から第2腰髄に至る神経節は四肢を支配する神経節に比べて侵されやすい1).最近Bastianら2)は悪性リンパ腫に併発した剖検例において疹に対応する後根神経節からvaricella-zoster v—rus (VZV)をはじめて分離している.
帯状疱疹の部位別出現頻度は水痘疹の中心性分布と対比され,両者の類似性には直接的関連があるという1).水痘のさいにVZVが神経節に達する径路として血流説3)と神経伝播説4)とがあり,一般には神経説が支持されている5).これによればウイルスは水痘疹から知覚神経を求心性に移動し神経節に潜伏する.後に再活動すると同じ神経を遠心姓に皮膚に達し帯状疱疹をつくることになり,両者の類似性も納得できる.
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