Japanese
English
綜説
潰瘍を伴うLivedo病変とその周辺
LIVEDO WITH ULCERATIONS AND ITS CIRCUMFERENCE
斉藤 隆三
1
,
伊勢 信子
1
Ryuzo SAITO
1
,
Nobuko ISE
1
1北里大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Kitasato University
pp.1035-1041
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201522
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皮膚の網の目状紅斑,すなわちLivedo病変は,その臨床的,組織学的所見より,Cutis marmora—ta, Livedo reticularis, Livedo racemosaに分けられる.これらは真皮と皮下組織との境界部で小動脈の緊張亢進と静脈側での緊張低下の状態で皮疹として現われるが,主として臨床的名称であるため英米系では厳密に区別して使用しているとは限らず,Livedo racemosaをLivedo reticularisの同義語として用いる傾向にある.
一方,Livedo病変の潰瘍化は必ずしも稀ではなく,動脈の閉塞性変化が強い場合に潰瘍形成を来たし易いとされている.われわれは,4年来夏季のみに潰瘍形成をみ,冬季には潰瘍も軽快する特発性のLivedo患者の1例を経験したのでそれを報告すると共に,Livedo vasculitis, Atrophieblancheとも合わせ,Livedo病変の潰瘍形成について若干の考察を加えたい.
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