原著
Blue Rubber Bleb Nevus Syndrome
川上 寛子
1
,
岡本 昭二
1
,
田辺 義次
1
,
千見寺 ひろみ
1
,
広谷 忠彦
2
,
徳久 剛史
2
Hiroko KAWAKAMI
1
,
Shoji OKAMOTO
1
,
Yoshitsugu TANABE
1
,
Hiromi CHIKENJI
1
,
Tadahiko HIROTANI
2
,
Takeshi TOKUHISA
2
1千葉大学医学部皮膚科学教室
2千葉大学医学部第2内科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Chiba University
2Second Department of Internal Medicine, School of Medicine, Chiba University
pp.1043-1048
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201524
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Blue rubber bleb nevus syndromeの24歳女子例を報告した.4歳ごろより躯幹,四肢の皮膚に青黒色の血管腫様小腫瘤が多発して増大するとともに高度の鉄欠乏性貧血が発生していた.12歳には腸管の血管腫の位置に一致した腸重積症のため開腹手術を受けている.高度の貧血と下血などの消化器症状のため来院.被髪頭部を含むほぼ全身の皮膚に青黒色の血管腫様腫瘤が約220個認められる.口腔粘膜にも同様な腫瘤がある.組織学的に真皮上中層には管壁が一層の内被細胞よりなる拡張した血管腔が多数存在する.消化管のレ線造影撮影により食道,胃,小腸,大腸に円形の陰影欠損像を認め,内視鏡検査によつても食道と胃粘膜に血管腫の存在を確認している.鉄欠乏性貧血と下血に対して輸血および鉄剤投与を実施している.Blue rubber bleb nevus syndromeの症例の大半は皮膚とともに消化管に血管腫が認められているので,本症は母斑症に分類されるべきであると考える.
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