皮膚臨床—病理カンファレンス(3)
Tricholemmoma
森岡 貞雄
1
,
山口 全一
1
1日本大学医学部皮膚科学教室
pp.482-483
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201321
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症例 75歳 女性
現病歴と現症 15歳頃より左耳介上後部に粟粒大の疣状皮疹があつた.約5年前に小指頭大,約1年半前に母指頭大となり出血性分泌物と疼痛のために某病院にて病理組織検査,電気焼灼を受けた.1年前より同部に腫瘍再発,疼痛,分泌物を伴い,急速に増大したために来院.左耳介附着上部より左耳介前面,一部側頭部にかけて鶏卵大の基底のくびれた乳嘴状の腫瘍1個あり.腫瘍と耳介前面は癒着し,所々血痂,糜燗を見る.表面凹凸不平,腫瘍の前面は黒色を呈す,本腫瘍に接して表面粗造,一部黒色調を呈する扁平な小結節1個を見る.左耳後腺小指頭大腫張(図1).
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